日本帝国陸海軍無線開発史

大西成美氏の「本邦軍用無線技術の概観」をベースに資料追加

11-1-12 3式空1号無線電話機

11-1-12 3式空1号無線電話機
3式空1号無線電話機は、戦闘機用として96式空1号改1よりも性能向上したもので、周波数範囲を5000乃至10000Kcとし、送信機入力を100Wに増大したもので、重量は30Kgとなった。
また、使用真空管の統一を計り、真空管の種類を少なくし、互換性をもたせるため、送信菅とし、原発信用FM-064A、増幅用FB-325A、受信管としてFM-2A05Aを使用するものとなった。
なお、FM-2A05Aは歩留まりが改善しないため、大戦末期にはソラに変更されるに至った。

本機の重要諸元は次の通りである。
用途   単座戦闘機用無線電話機
通信距離 対機 100浬   対地上300浬
周波数  5,000-10,000kc
送信機  入力 100W
          OSC   PA
     真空管 FZ-064A-FB-325A
          MOD  FM-2A05A×2(抑制格子変調)
FM-2A05A×2
     電源  回転式直流変圧器(入力12V)
受信機  方式 スーパー RF1 IF1 AF2
          RF    Conv   IF     Det   AF   
     真空管 FM-2A05A- FM-2A05A- FM-2A05A- FM-2A05A- FM-2A05A
           OSC FM-2A05A   BFO FM-2A05A
     電源  回転式直流変圧器(入力12V)
空中線  固定L型空中線
整備数  
周波数5から10Mc、送信機出力A3 15W(サプレッサーグリッド変調)、A1も可能、真空管はFZ064A-FB325A、プレート電源として500Vコンバーターを使用する。
受信機はRF1の7球スーパーであって、水晶制御方式、中間周波数635Kc、真空管は全てFM2A05A又はソラを使用する。
250Vコンバーターを電源とする。

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参考文献
本邦軍用無線技術の概観 大西 成美
日本無線史 第十巻 電波監理委員会
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