日本帝国陸海軍無線開発史

大西成美氏の「本邦軍用無線技術の概観」をベースに資料追加

11-1-10-2 1式空3号無線帰投方位測定機

11-1-10-2 1式空3号無線帰投方位測定機
昭和6年頃、大型飛行艇の出現に伴い、独国テレフンケン社製機上方位測定機(T式方位測定機と呼称)を購入してこれを実験したところ、成績概ね良好で、これを制式兵器として採用することとなった。
次いで昭和10年米国フェアチャイルド会社製クルシー式無線帰投装置を購入して、小型飛行機に於て実験した。
これは視覚式で、受信機は高周波1段増幅、第一検波、中間周波2段増幅、第二検波、低周波2段増幅のもので、原名RC4と称するものである。
爾来3座以下の小型機には、クルシー式を、ク式空3号無線帰投方位測定機として装備することに、多座機にはT式方位測定機を装備することに方針が一定した。
その後、昭和16年に到り、これら外国製無線帰投装置を国産化したものが出現を見ることとなった。
大、中型機用として、独国製テレフンケン式方位測定機を改造国産化した零式空4号無線帰投方位測定機及び小型機用として、米国製クルシー方位測定機を国産化した1式空3号無線帰投測定器がそれである。
前者は周波数範囲165乃至1000Kc、重量38Kg、通達能力200浬、後者は周波数範囲170乃至1200Kc、重量28Kg、通達能力60浬である。

本機の重要諸元は次の通りである。
用途   3座以下の小型機
通信距離 60浬
周波数  170乃至1200Kc
受信機  方式 スーパー RF1 IF2 AF2
         RF Conv IF  Det  AF  AF 
     真空管 
     電源  
空中線  枠型空中線
整備数  
 

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参考文献
本邦軍用無線技術の概観 大西 成美
日本無線史 第十巻 電波監理委員会
軍用無線機概説(資料編Ⅱ)石川俊彦著
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