日本帝国陸海軍無線開発史

大西成美氏の「本邦軍用無線技術の概観」をベースに資料追加

5-4-3 測雲ゾンデ

5-4-3 測雲ゾンデ
A型測雲ゾンデ
5-4-1項のゾンデに、日射蓄電器を附したものであって、白色及び黒色のバイメタルの各片を蓄電器極板に連結し、両バイメタルの日射量による伸びの差が容量の変化に置換せられる方式のものである。
入射量0ルックスのとき発振周波数14Mc、10,000ルックスのとき18Mcとなるよう構成せられている。
したがって、受信周波数の変移を日射量に換算する。
もちろん、夜間は使用できない。
B型測雲ゾンデ
発振周波数は19Mc一定であって、ネオン菅による低周波発振を以てこれを変調する。
この変調用低周波発振回路に光電管を入れて、受光量に応じて低周波発振数が75C/Sから90C/Sに変化する。
したがって、プレート電源としてブザー誘導線輪(バイブレータのこと)は使用できないので、130V1次電池を使用する。
この変調周波数の変化を低周波数計によって測定し、雲のム状況を判定する。
もちろん、夜間は使用できない。
C型測雲ゾンデ
前記のものを、夜間用としてもので、光源として電球を有し、その直射光を遮断してある。
したがって、雲のないところでは入射光はないが雲中に入ると雲の反射によって入射光を生じ、変調周波数に変化を与える。
これによって雲の高さ、厚さ等を測定する。
 
参考文献
本邦軍用無線技術の概観 大西 成美
日本無線史 第九巻 電波監理委員会