日本帝国陸海軍無線開発史

大西成美氏の「本邦軍用無線技術の概観」をベースに資料追加

2019-07-02から1日間の記事一覧

5-4-4 気象受信機

5-4-4 気象受信機本機の重要諸元は次の通りである。周波数 375~1,500Kc 0.545~15Mc用途 気象情報受信真空管 RF Det AF AF UF134-UF134-UF109A-UY133A 本文へ 参考文献本邦軍用無線技術の概観 大西 成美日本無線史 第九巻 電波監理委員会JAPANESE RAD…

5-4-3 測雲ゾンデ

5-4-3 測雲ゾンデA型測雲ゾンデ5-4-1項のゾンデに、日射蓄電器を附したものであって、白色及び黒色のバイメタルの各片を蓄電器極板に連結し、両バイメタルの日射量による伸びの差が容量の変化に置換せられる方式のものである。入射量0ルックスのと…

5-4-2 測風ゾンデ

5-4-2 測風ゾンデ固定周波数のゾンデを飛揚し、方向探知機により高さと方向を追尾観測し、風向、風速に換算するものである。2Mc附近の周波数を使用するものには、普通の方向探知機による測定が可能であるがせ、基線長4~6Km程度において3箇の測定所を必…

5-4-1 気温、湿度、気圧用ラジオゾンデ

5-4-1 気温、湿度、気圧用ラジオゾンデUN-30Mを使用したハートレー発振回路の同調用蓄電器を温度、湿度、気圧により変化するごとく構造し、8~11Mcの周波数を送信させ、気球に垂下して飛揚させれば、高度に応じて観測結果は発射周波数の変化となり、地…

5-3-3 候敵警戒機

5-3-3 候敵警戒機昭和18年(1943年)度から研究を始めた。南方島嶼作戦に於いて米軍の使用していたものは、地上聴音器を用うるものであったが、地中振動子を用いると、設置に時間と労力を要するが効果甚だ絶大であるので、これら両用のものとした。陸軍…

5-3-2 1式光話機

5-3-2 1式光話機光通信は軍用として特殊ではあるが、用途があるので、可視又は不可視光線を用い、電信、電話の秘匿通信を行い得るものを研究し、昭和16年(1941年)1式光電話機として制式制定された。1式光電話機は、送受光機、増幅器、手回発電機、属…

5-3-1 95式電信機

5-3-1 95式電信機有線通信に無線技術を応用して、リレー等の必要を排除し、小型軽量且つ高感度の器材を完成した。またこのため、通信が従来の有線通信におけるサウンダーむの仕様から、無線通信におけると同じく可聴断続音による方式となったため、有…

5-2-5 飛2号方向探知機

5-2-5 飛2号方向探知機本機の重要諸元は次の通りである。用途 中型機用周波数 200~385Kc、550~1,100Kc受信機方式 スーパヘテロダイン 真空管 RF Con v IF Det AF UZ78-Ut6A7-UZ78-6F7(5)-UZ78 6F7(3)↑ BFO 電源 24V蓄電池及び200V40mAコンバー…

5-2-4 飛1号方向探知機

5-2-4 飛1号方向探知機本機の重要諸元は次の通りである。周波数 550~1,200Kc(1型)160~385Kc、550~1,300Kc(2型)受信機方式 スーパヘテロダイン RF1 IF2 AF1真空管 RF Conv IF IF Det AF 6D6-6D6-6D6-6D6-6D6-6D6 6D6↑ Osc 電源 24V蓄電池及…

5-2-3 地1号方向探知機

5-2-3 地1号方向探知機陸軍に於いて無線を利用する方向指示用兵器の研究を始めたのは、昭和5年(1930年)頃である。まず第一に研究されたのは、飛行機の方向指示としての無線標識であった。次に地上小部隊の暗夜、濃霧の場合、又は密林内で前進方向を…

5-2-2 94式5号型特殊受信機

5-2-2 94式5号型特殊受信機マルコニ短波方向探知機の研究中、逓信省電気試験所技師難波捷吾及び同塚田太郎の創意による短波方向探知機も亦優秀にして、研究の参考とするに足るものと認め、これが試作を電気試験所に委託した。昭和9年(1934年)3月試作…

5-2-1 94式1号型特殊受信機

5-2-1 94式1号型特殊受信機陸軍に於いて既に対象の中葉に於いて方向探知機の研究を開始していた。しかしその目的は無線諜報でもなければ、移動物の誘導でもなく、唯英独等より購入した方向探知機で方向探知そのものの研究であった。然るに傍受用受信機…

5-1-2 特殊受信機甲

5-1-2 特殊受信機甲94式3号型特殊受信機は94式及び96式各号無線機と同様に、昭和13年(1938年)からこれが改良研究に着手した。改良の方針としては傍受勤務に適する構造とし、真空管を統一し、性能を向上するにあった。これは特殊受信機甲と云う呼称を…

5-1-1 94式3号型特殊受信機

5-1-1 94式3号型特殊受信機戦場に於ける無線諜報に関しては指揮官の作戦指導上極めて有効なる資料を提供し得るものなることの認識、移動性の要求上軍独自の研究に候つの外、流用し得る受信機なきこと、部隊装備のため制式として動員用兵器の整備すべき…

4-4-23 飛5号無線機

4-4-23 飛5号無線機本機には甲及び乙の二種がある。甲は中距離における飛行部隊指揮官として二系統以上の通信を迅速に処理し得る能力を有するもので、飛2号無線機と同一性能を持っている。即ち飛2号送信機二組を真空管を共通にして一組としたものが…

4-4-22 飛4号無線機

4-4-22 飛4号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 編隊内用通信距離 周波数 44~50Mc送信機 出力 A3 7w OSC PA 真空管 807A-807A×2 Mod 電源 24V蓄電器及びコンバーター 500V230mA受信機 方式 スーパー RF2 IF2 AF2 RF RF Conv IF IF Det AF …

4-4-21 4式飛3号無線機とム-4無線機

4-4-21 4式飛3号無線機とム-4無線機4式飛3号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 近距離飛行機用(主として戦闘機用)通信距離 周波数 送信 4~6Mc 受信 4~6Mc 送信機 出力 A2 A3 20w OSC PA 真空管 807A- 807A 807A↑ Mod 電源 24V蓄電器…

4-4-20 99式飛3号無線機

4-4-20 99式飛3号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 近距離飛行機用(主として戦闘機用)通信距離 周波数 送信 2.5~6.7Mc 受信 1.5~6.7Mc送信機 出力 A2 A3 10w OSC PA 真空管 807A 807A↑ Mod 電源 24V蓄電器及びコンバーター 600V120mA受…

4-4-19 99式飛2号無線機

4-4-19 99式飛2号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 中距離飛行機用通信距離 周波数 1.5~7.5Mc送信機 出力 A1 35w、A2 A3 10w OSC PA 真空管 UX47G-UY-510B 76 - UZ-47D AF Mod 電源 24V蓄電器及びコンバーター 700V150mA、250V 50mA、9V…

4-4-18 96式飛2号無線機

4-4-18 96式飛2号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 中距離飛行機用通信距離 周波数 1.5~7.5Mc送信機 出力 A1 8w、A2 A3 2.5w OSC PA 真空管 UX47G-UY-510B 76 - UZ-47D AF Mod 電源 24V蓄電器及びコンバーター 700V150mA、250V 50mA、9V…

4-4-17 飛1号無線機中波送信機

4-4-17 飛1号無線機中波送信機本機は航空戦術の発達に伴って空中にある航空指揮官が空中部隊に集合を命じる場合に空中集合店に各飛行機を誘導するため中波を発射する送信機で指揮官機の飛1号無線機に附加したものである。本機の重要諸元は次の通りで…

4-4-16 99式飛1号無線機

4-4-16 99式飛1号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 長距離飛行機用通信距離 周波数 1型 2.5~15Mc、2型 2.5~10Mc送信機 出力 A1 40w、A2 30w、A3 20w OSC PA 真空管 807A-807A×2(グリッド変調) Mod 電源 24V蓄電池及び600V40mAコンバ…

4-4-15 地4号無線機

4-4-15 地4号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 空輸挺身隊(落下傘部隊)用通信距離 対飛行機及び地上150Km周波数 送信 4~20Mc 受信 4~20Mc)送信機 出力 A1 50w A2、A3 10w OSC PA 真空管 6D6-8076D6↑(グリッド変調) Mod 電源 0.6HP…

4-4-14 地3号無線機

4-4-14 地3号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 対空用及び地上用通信距離 対飛行機100Km周波数 送信 1.5~6.675Mc 受信 1.5~8.9Mc)送信機 出力 A1 40w A2、A3 8w OSC PA 真空管 6D6-8076D6↑(グリッド変調) Mod 電源 0.6HP単気筒2サイ…

4-4-13 地2号無線機

4-4-13 地2号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 対空用及び対地上用通信距離 対飛行機500Km周波数 2.5~10Mc (1型の場合 送信1.5~10Mc、受信140Kc~15Mc)送信機 出力 A1 180w A2、A3 40w OSC PA 真空管 E-2053-E-2057E-2053↑ Mod 電源 2…

4-4-12 地1号無線機

4-4-12 地1号無線機遠距離飛行機用無線機と対向し通信距離1,000Kmを確保するものとし、飛行機に依り運搬可能なるものとする。空中線電力は約500ワット。本機の重要諸元は次の通りである。用途 対空用及び固定用通信距離 対飛行機1,000Km周波数 1型受…

4-4-11 船艇無線機甲

4-4-11 船艇無線機甲研究の由来及び目的昭和13年(1938年)5月主として上陸作戦に用うる高速度偵察艇用無線機を得る目的を以て研究に着手した。構造及び機能の概要本機は左の三点を除き概ね車輛無線機甲と構造及び機能を同じくしているものである。1.…

4-4-10 車輛無線機丙

4-4-10 車輛無線機丙研究の由来及び目的昭和16年(1941年)4月新たに研究項目に加え、研究に着手した。その目的は戦車部隊内の短距離電話通信に適する無線機をを創出するのを目的とした。構造及び機能の概要通信機は送信機、受信機、附属品、予備品等…

4-4-9 3式車輛無線機乙

4-4-9 3式車輛無線機乙研究の由来及び目的昭和13年(1938年)5月から研究に着手した。戦車其の他装軌車輛用として94式4号乙、丙無線機、96式4号戊無線機を統合せる無線機を創出するのを目的とした。構造及び機能の概要通信機は送信機、受信機、附属品…

4-4-8 改修車輛無線機甲

4-4-8 改修車輛無線機甲研究の由来及び目的貯蔵水晶の欠乏を見越せば、地上部隊用無線機の周波数安定に水晶制御方式を持続することは逐次困難となりつつあった。特に3式車輛無線機甲は、送受信共水晶制御発振を用いるもので、これを高度の周波数安定を…