日本帝国陸海軍無線開発史

大西成美氏の「本邦軍用無線技術の概観」をベースに資料追加

8-2 中波送信機

8-2 中波送信機

8-2 1式中5号送信機

概要
昭和16年の制定にかかり、中波通信用高性能(自励水晶兼用原振器附)送信出力(250KW)として設計製作せられたもので、諸性能相当優れ、数十台東洋通信機株式会社に於いて製造せられ実用に供せられたが、時局関係から次に述べる2式中5号送信機を作ることとして、昭和20年度以降は製造打切りとなった。
1式中5号送信機  出力250w 1,350 ~4,000Kc 自励、水晶兼用

8-2 2式中5号送信機
概要
昭和17年に制定されたもので、1式中5号送信機の性能を保持しつつ、資材難と工作力不足とに対処するために、機械工作の簡易化を図り計画されたもので、1式同様自励水晶用原振器附である。
東京芝浦電気株式会社に於いて数百台量産を行ったが、戦争末期に漸く装備せられる程度であった。
2式中5号送信機  出力250w 1,200 ~4,000Kc 自励、水晶兼用

8-2 3式中7号送信機
概要
昭和18年の制定にかかる小型中波送信機で、原振器を有し220V電源使用の場合5W、110V使用の場合1W程度の出力を有し、数百台東京無線電機株式会社に於いて生産せられた。
3式中7号送信機  1,150 ~3,500Kc MOPA
          艦船の直流電源をそのままプレート電圧として使用
          220Vのとき出力5w、100Vのとき出力1w
参考情報

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参考文献
本邦軍用無線技術の概観 大西 成美
日本無線史 第十巻 電波監理委員会
日本無線社史 55年の歩み