日本帝国陸海軍無線開発史

大西成美氏の「本邦軍用無線技術の概観」をベースに資料追加

11-1-6 96式空2号無線電信機

11-1-6 96式空2号無線電信機
2座機用の電信電話両用の周波数範囲、短波5000乃至10000Kc、長波300乃至500Kcの長短兼用のものであり、送信機入力100W、送信電波は3波一挙動転換可能で、弾着観測用として計画されたものである。
その重量45Kg、通達能力は対地上約600浬とせられている。
本機の重要諸元は次の通りである。
用途   2座機用(弾着観測用)
通信距離 約600浬
周波数  短波5000乃至10000Kc
     長波300乃至500Kc
送信機  入力100W
          OSC   PA
     真空管 UZ-510-UZ-510×2
     電源  回転式直流変圧器(入力12V)
受信機  方式 スーパー RF1 IF2 AF2
         RF      Conv      IF   IF/ Det AF   
     真空管 UZ6D6-Ut-6L7G-U6ZD6-Ut-6B7-UZ41
                OSC 76        BFO 76 TONE 76
     中間周波数 635Kc
     電源  回転式直流変圧器(入力12V)
空中線  固定空中線及び垂下式空中線
整備数  
周波数範囲短波5から10Mc、長波300から500Kc。
送信機出力 A1 40W、A3 10W(サプレッサーグリッド変調)真空管はUZ-510を3ケを使用するCOPA方式、短波帯に於いては予め調定した任意の3波を切換可能、プレート電圧1,000V。
受信機は当初6C6、6D6、6L7G、76、41等を使用したが、後に全てFM2A05A又はソらのみを使用、RF1段付7球スーパーであり、中間周波数635Kc、電源として250Vのコンバーターを使用する。

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参考文献
本邦軍用無線技術の概観 大西 成美
日本無線史 第十巻 電波監理委員会
Yahooオークション出品情報
米国国立公文書館