日本帝国陸海軍無線開発史

大西成美氏の「本邦軍用無線技術の概観」をベースに資料追加

2019-04-30から1日間の記事一覧

4-3-17 96式飛3号無線機

4-3-17 96式飛3号無線機 昭和7年(1932年)度から研究に着手した。数次に亘る試作、試験、改修等を経て昭和10年(1935年)審査を完了したものである。本機を装備するのは単座戦闘機であるので、試験には特に困難を感ずることが88式飛行機用3号無線電…

4-3-16 94式飛2号無線機

4-3-16 94式飛2号無線機 昭和6年(1931年)度から研究に着手した。数次に亘る試作、試験、改修等を経て昭和9年(1934年)審査を完了したものである。本機の重要諸元は次の通りである。用途 中型及び大型飛行機用通信距離 600Km周波数 送信 960~6,675…

4-3-15 94式対空2号無線機

4-3-15 94式対空2号無線機 昭和7年(1932年)から研究に着手した。初め10号丙無線機として同甲無線機と殆ど同構造とし電話のため変調器を接続し得るようにし、又空中線高を94式1号無線機等と同じにした。そして10号甲無線機の送信機を改良して軽量小…

4-3-14 94式対空1号無線機

4-3-14 94式対空1号無線機 昭和6年(1931年)度から研究に着手した。本機は94式及び96式移動無線機の先頭を切って研究を開始されたもので、当時水晶制御方式送信機は固定式無線機に限られていたから、基準模範を得るに便利だったからである。そして概…

4-3-13 96式7号無線機

4-3-13 96式7号無線機 昭和9年(1934年)度から研究に着手した。輸送船団の航行中、各輸送船搭乗指揮官間の通信連絡は最も必要であって、しかも企図秘匿上極度の秘密性を要するのである。従来無線は電波諜報の発達した今日使用すべくもなしと解され、…

4-3-12 94式6号無線機

4-3-12 94式6号無線機 昭和8年(1933年)度から本格的研究に着手した。当初周波数の要求数は25であったので周波数帯を25,000~30,000Kcとし、移動式無線機で最も用途の不明確であった超短波帯に隣接する短波帯利用を図った次第である。然るに本機の使…

4-3-11 94式5号無線機

4-3-11 94式5号無線機 昭和8年(1933年)度から本格的研究に着手した。最初の設計に対して大いなる変更の要求又必要も生ぜず、概ね順調に研究を終始し得た。本機の重要諸元は次の通りである。用途 歩兵用通信距離 10Km周波数 900~5,000Kc(常用 1,00…

4-3-10 96式4号戊無線機

4-3-10 96式4号戊無線機 昭和10年(1935年)度から本格的研究に着手した。本機を装備する96式装甲作業機は戦車のような装甲装軌車で、工兵諸作業を実施するものである。無線装備のため車内の利用し得る空席が適当の形態であったので、同機械たる94式4…

4-3-9 94式4号丙無線機

4-3-9 94式4号丙無線機 昭和8年(1933年)度から本格的研究に着手した。本機は89式中戦車に装備するものであるが、中戦車に無線装備の考慮のなかったこと、これに依って生じた不便困難等は概ね94式4号乙無線機の場合と全く同様であった。本機に対する…

4-3-8 94式4号乙無線機

4-3-8 94式4号乙無線機 昭和8年(1933年)度から本格的研究に着手した。本機を装備する92式重装甲車は、元来無線装備に付き何等考慮することなく操縦、戦斗をのみ主眼として設計制式となったものであるが、後に起こった無線装備の要求に対して万事不都…

4-3-7 96式3号己無線機

4-3-7 96式3号己無線機 我が陸軍は上陸作戦を最重要視し、大正末期から逐次海運資材の機械化に努め、偵察艇、装甲艇、大発動艇、小発動艇の小舟艇も漸次整備せられるに至った。偵察艇、装甲艇はその任務上これに無線を装備する必要があるので、昭和初…

4-3-6 94式3号丁無線機

4-3-6 94式3号丁無線機 昭和9年(1934年)度から研究に着手した。本機に対する要求は主として左の2点を除き概ね94式3号乙無線機と同じであったので研究は急速に終了に向かった。1.受信機の周波数帯幅2.運搬法、全装置を駄馬一頭に駄載するためその組成…

4-3-5 94式3号丙無線機

4-3-5 94式3号丙無線機 本機も亦94式3号甲無線機と略々併行して研究された。即ち初期の11号無線機の送信機には4極真空管を用いていたので、本機に要求されている電話は、遮断グリッド変調で行い、相成るべくは甲、乙、丙3種共通のものとし電話のため簡…

4-3-4 94式3号甲無線機

4-3-4 94式3号甲無線機 昭和7年(1932年)度から研究に着手した。満州事変に於ける諸作戦に於いて15年式3号無線電信機は機能良好であるが、鈍重であるから隅々駄馬も通じない処へも行かなければならない要求に適さない。依って軽易に人背によって運搬…

4-3-3 96式2号戊無線機

4-3-3 96式2号戊無線機 昭和10年(1935年)度から研究に着手した。要求された性能の類似から主要部は94式2号丁無線機と同一のものとすることに努めた。本機は装甲軌道者(鉄道作戦に使用するもので装備により鉄道-広軌-線路上も装甲し、又必要に応じ…

4-3-2 94式2号乙無線機

4-3-2 94式2号乙無線機 昭和6年(1931年)度から研究に着手したが、第1次試作送信機は予期する結果を得られなかった。そこで、試作会社を東京電気株式会社に変えて、初めて良果を得たが、水晶(又は自励)発振及び2段増幅で、構造も複雑、容積も大(50…