13号電探指示装置改(令和版)の試作作業記録 その9(令和2年10月15日)目盛管制部(#2)
水平掃引部の出力不足の原因調査のため、ブラウン管(3KP1)を中古の東芝製から新品のNEC製に交換しましたが、特に変化がありません。
基本的には、ブラウン管自体には問題がないということです。
目盛管制部の改善としては、目盛発振部(カソード結合マルチバイブレーター)の安定化と出力増加を行い、次段のプレート検波部ではバイアスを少し浅くして出力増加をはかっています。
ここで目盛管制パルスの出力不足の対策としてた、垂直入力(レーダーの受信機の検波出力)と一緒すればよいのではないかと安易に考えましたが、よくよく考えると受信機の信号増幅調整すると目盛パルスも同期して大小することになります。
やはり、13号電探指示装置の仕様どおり、ブラウン管のY軸(-)に目盛パルスを印加します。
これが13号電探指示装置によるシングルエンド方式を採用しながら、目盛表示と受信機パルスの双方を表示することを可能とした最大の特徴であります。
とりあえず、目盛パルスを表示することは可能となりましたが、依然電圧不足でパルス長が短いのが不満です。
水平掃引部について
13号電探指示装置はあくまでオシロスコープの変形であることから、正弦波を注入すれば、当然正弦波のきれいな波形がでるものと信じていました。
ところが、正弦波を表示すると、上部波形はきれいですが、下部波形は丸みがなく少し歪があります。
然し、これが13号電探指示装置の仕様であり、下半分の表示は、目盛管制部のパルス表示以外使用しません。
ようは、オシロスコープの機能は必要ないということです。
今回はオシロスコープの機能も付与するように回路改造しています。
また、水平掃引部の出力不足で、掃引を画面一杯に広げることができないので、時間軸のみシングルエンドからプッシュプルへ変更を検討します。
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