日本帝国陸海軍無線開発史

大西成美氏の「本邦軍用無線技術の概観」をベースに資料追加

電探装置試作計画 概要設計 受信機と送信機の採用について(令和2年11月20日)

電探装置試作計画 概要設計 受信機と送信機の採用について(令和2年11月20日

当初電探用の受信機と送信機については、昭和30年代の150Mc帯の真空管式タクシー無線機を流用しようとしていました。
しかしながら、電波形式がFMであり、水晶制御で自由度がないこと、回路情報がないなど流用するには難点が多そうでした。


そこで、別の機器を探していたら、アマチュア無線の144Mc帯の真空管式のトリオTR-2(1968.05 S43年 発売 トランシ-バ-  144MHz AM 10W )がオークションに出品されていました。
受信機であれば、TR-2そのもので改造もなく使用できそうです。
送信機については、搬送波を連続発振から同期パルス(パルス幅20μsec)が来たときのみ発振するような仕組みを組み込む必要があります。
しかも、送信機と受信機の同時使用であることからトリオTR-2か2台必要となることになります。
ただし、本機トリオTR-2は1968年に真空管式でしかもAM方式で発売されたが、時期としては既にマーケットはトランジスターで、かつFM方式が主流となりつつありました。
このため、翌年の1969年には、本機もFM用の改造部品も併売されて、マーケットニーズに対応したようです。
このような無線機のため、オークションで落札したものは、1台はオリジナルのAM対応の純正機であり、もう1台は改造機のFM機となりました。

1969年9月CQ誌からの抜粋



1号機 AM純正品



2号機 FM改造品



TR-2 受信機と送信機用

 

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