放送局型123号受信機(初期型) 修理記録 その4(令和4年08月12日)
その4(令和4年08月12日)透明ケースの加工と感電に関する考察等の作業
本受信機は木製の箱がありませんが、裸のシャーシのままで運用すると感電する危険性があります。
このため、ダイソーにて、透明のケースを購入して、その中にラジオを収納するこことしました。
中身が見えるスケルトンラジオとなりました。
ただし、透明ケースがラジオの大きさに比較して、かなり奥行きが短く、はみ出すこととなりまた。
なお、本体とケースとの接続については、4Pの接続コネクターを経由することより、簡単に分離できます。
今後、延長したケースに改造するこことし、修復作業は一先ずこれにて終了とします。
なお、エージング試験中に1分程度再生検波部分が動作不能となりましたが、数分後復活して安定動作していますが、検波管に何か問題がありそうです。






トランスレスラジオの感電対策についての考察
トランスレスラジオは感電する恐れがあるので、個人的にはトランスレスの倍電圧整流回路などの自作は絶対するつもりはありません。
今回のようなに古いトランスレスラジオや真空管式のテレビ受像機の修復作業の場合のみいやいや手を出すようにしています。
倍電圧整流については、「テレビジョン技術教科書 昭和35年10月 日本放送協会に詳しく記載されているので以下に紹介します。
感電に関する資料は、「テレビ受像機の基礎 昭和35年9月 ラジオ技術社」に詳しく記載されているので以下に紹介します。
この資料で分かるように、理論的には、半波倍電圧整流では電源プラグの極性によって確率50%で感電するし、両波倍電圧整流では電源プラグの極性とは無関係に100%感電することになります。
したがって、放送局型123号受信機(初期型)の修復においても、両波倍電圧整流から半波倍電圧整流に改造するのも感電対策の一つでもあります。
しかしながら、半波倍電圧整流のトランスレス方式の真空管テレビでは電源プラグに無関係で極端な感電を感じないことは経験則で知っております。
今回は、半波倍電圧整流に改造した放送局型123号受信機(初期型)のシャーシ電圧を測定すると以下の結果となりました。
測定方法
テスターをAC10Vレンジとして、赤プラグはシャーシへ、黒プラグを自分の手に当てて測定する。
電源プラグとアースの極性一致の場合:0Vとなり理論通り
電源プラグを逆転した場合:0.5Vを示し、手でさわっても電撃を生じることはない。
この結果、人体には電源のプラグの向きに無関係でシャーシに感電することはないとの結論となりました。
この理由は全くわかりません。
※追記(R04.08.14)
半波倍電圧整流の動作をよく考える、電源ACラインに電解コンデンサーを接続、整流管のカソードに接続、もう一方のACラインはアースラインとしてシャーシに直付けします。
この状態での半波倍電圧整流の機能は、ACラインが負の時、アースラインは正となり電解コンデンサーを充電のみし、ACラインが正の時は、充電した電解コンデンサーが放電するように機能することになります。
この機能であれば、ACラインのアースがどちらにあっても180度位相が進めば同じことになります。
ようは、ACラインのアースがどちら側でもシャーシが帯電することはないことになり、感電することはないということを意味します。
シャーシとACラインのアース側が不一致の場合には、シャーシが微弱の電圧を示すのは、電解コンデンサーからの漏洩電流のためです。
したがって、真空管のトランスレステレビのような大電流を使用する受像機では漏洩電流も大きくなり帯電する電圧も大きくなりますが、人体に感じるほどの電圧ではありません。
以上、朝のウォーキングをしながら考察しましたが、正解かどうかわかりません。
参考文献
ラジオ受信機調整修理法(一般家庭用並びに国民型受信機編)大井修三 昭和22年12月
テレビジョン技術教科書 昭和35年10月 日本放送協会
テレビ受像機の基礎 昭和35年9月 ラジオ技術社