日本帝国陸海軍無線開発史

大西成美氏の「本邦軍用無線技術の概観」をベースに資料追加

11-1-6 96式空2号無線電信機

11-1-6 96式空2号無線電信機2座機用の電信電話両用の周波数範囲、短波5000乃至10000Kc、長波300乃至500Kcの長短兼用のものであり、送信機入力100W、送信電波は3波一挙動転換可能で、弾着観測用として計画されたものである。その重量45Kg、通達能力は…

11-1-5 96式空1号無線電話機

11-1-5 96式空1号無線電話機 96式空1号無線電話機と称するもので、送信機入力15W、主として戦闘機用電話兼電信機で、送信機は水晶制御原振器附、受信機は高周波1段増幅、水晶制御局部発振兼第一検波、中間周波1段増幅、第二検波、低周波1段増幅のもの…

9-1 長中波受信機

9-1 長中波受信機9-1-1 87式受信機概要昭和2年の制定にかかるニュートロダイン式高周波2段増幅、再生検波、低周波2段増幅の真空管式受信機で、可能受信周波数により、1型、2型、3型及び4型の4種がある。 9-1-2 91式受信機概要昭和6年に制定され…

8-4 長短兼用送信機

8-4 長短兼用送信機8-4-1 YT式特3号、特5号送信機概要いずれも明昭電機株式会社の製造にかかる自励式短波送信機である。特3号機は出力1KWで、長波側は連結式及び簡単式両用で、特5号機は出力100Wで、長波側は簡単式である。航空隊用のものは電源方式…

8-3 短波送信機

8-3 短波送信機 8-3-1 15式2号、4号、5号送信機いずれも大正15年に制定された艦船用短波送信機で、その出力周波数は次の通りである。15年式2号送信機 出力2KW 周波数 3.7乃至20Mc 甲は自励式、乙は原振器附15年式4号送信機 出力500W 周波数 2.5乃至1…

8-2 中波送信機

8-2 中波送信機 8-2 1式中5号送信機 概要昭和16年の制定にかかり、中波通信用高性能(自励水晶兼用原振器附)送信出力(250KW)として設計製作せられたもので、諸性能相当優れ、数十台東洋通信機株式会社に於いて製造せられ実用に供せられたが、時局関…

8-1 長波送信機

8-1 長波送信機8-1-1 92式3号及び4号送信機概要自励連結式の所謂簡単式長波送信機(3号は出力1KW、4号は出力0.5KW)で優秀品とは云えないが、十年以上も使い慣れたもので艦船及び陸上に装備されて実用されている。92式3号送信機 出力1Kw 自励92式…

5-5-1 軍用簡易テレビジョン装置

5-5-1 軍用簡易テレビジョン装置 電視(テレビジョン)が実用されれば事実上著しい効果をもたらすことは多言を要しない所であるが、陸軍では研究所期に於ける走査にニポー円盤を用いるようなものでは軍用として実用の可能性もないので、暫く研究着手を…

5-4-4 気象受信機

5-4-4 気象受信機本機の重要諸元は次の通りである。周波数 375~1,500Kc 0.545~15Mc用途 気象情報受信真空管 RF Det AF AF UF134-UF134-UF109A-UY133A 本文へ 参考文献本邦軍用無線技術の概観 大西 成美日本無線史 第九巻 電波監理委員会JAPANESE RAD…

5-4-3 測雲ゾンデ

5-4-3 測雲ゾンデA型測雲ゾンデ5-4-1項のゾンデに、日射蓄電器を附したものであって、白色及び黒色のバイメタルの各片を蓄電器極板に連結し、両バイメタルの日射量による伸びの差が容量の変化に置換せられる方式のものである。入射量0ルックスのと…

5-4-2 測風ゾンデ

5-4-2 測風ゾンデ固定周波数のゾンデを飛揚し、方向探知機により高さと方向を追尾観測し、風向、風速に換算するものである。2Mc附近の周波数を使用するものには、普通の方向探知機による測定が可能であるがせ、基線長4~6Km程度において3箇の測定所を必…

5-4-1 気温、湿度、気圧用ラジオゾンデ

5-4-1 気温、湿度、気圧用ラジオゾンデUN-30Mを使用したハートレー発振回路の同調用蓄電器を温度、湿度、気圧により変化するごとく構造し、8~11Mcの周波数を送信させ、気球に垂下して飛揚させれば、高度に応じて観測結果は発射周波数の変化となり、地…

5-3-3 候敵警戒機

5-3-3 候敵警戒機昭和18年(1943年)度から研究を始めた。南方島嶼作戦に於いて米軍の使用していたものは、地上聴音器を用うるものであったが、地中振動子を用いると、設置に時間と労力を要するが効果甚だ絶大であるので、これら両用のものとした。陸軍…

5-3-2 1式光話機

5-3-2 1式光話機光通信は軍用として特殊ではあるが、用途があるので、可視又は不可視光線を用い、電信、電話の秘匿通信を行い得るものを研究し、昭和16年(1941年)1式光電話機として制式制定された。1式光電話機は、送受光機、増幅器、手回発電機、属…

5-3-1 95式電信機

5-3-1 95式電信機有線通信に無線技術を応用して、リレー等の必要を排除し、小型軽量且つ高感度の器材を完成した。またこのため、通信が従来の有線通信におけるサウンダーむの仕様から、無線通信におけると同じく可聴断続音による方式となったため、有…

5-2-5 飛2号方向探知機

5-2-5 飛2号方向探知機本機の重要諸元は次の通りである。用途 中型機用周波数 200~385Kc、550~1,100Kc受信機方式 スーパヘテロダイン 真空管 RF Con v IF Det AF UZ78-Ut6A7-UZ78-6F7(5)-UZ78 6F7(3)↑ BFO 電源 24V蓄電池及び200V40mAコンバー…

5-2-4 飛1号方向探知機

5-2-4 飛1号方向探知機本機の重要諸元は次の通りである。周波数 550~1,200Kc(1型)160~385Kc、550~1,300Kc(2型)受信機方式 スーパヘテロダイン RF1 IF2 AF1真空管 RF Conv IF IF Det AF 6D6-6D6-6D6-6D6-6D6-6D6 6D6↑ Osc 電源 24V蓄電池及…

5-2-3 地1号方向探知機

5-2-3 地1号方向探知機陸軍に於いて無線を利用する方向指示用兵器の研究を始めたのは、昭和5年(1930年)頃である。まず第一に研究されたのは、飛行機の方向指示としての無線標識であった。次に地上小部隊の暗夜、濃霧の場合、又は密林内で前進方向を…

5-2-2 94式5号型特殊受信機

5-2-2 94式5号型特殊受信機マルコニ短波方向探知機の研究中、逓信省電気試験所技師難波捷吾及び同塚田太郎の創意による短波方向探知機も亦優秀にして、研究の参考とするに足るものと認め、これが試作を電気試験所に委託した。昭和9年(1934年)3月試作…

5-2-1 94式1号型特殊受信機

5-2-1 94式1号型特殊受信機陸軍に於いて既に対象の中葉に於いて方向探知機の研究を開始していた。しかしその目的は無線諜報でもなければ、移動物の誘導でもなく、唯英独等より購入した方向探知機で方向探知そのものの研究であった。然るに傍受用受信機…

5-1-2 特殊受信機甲

5-1-2 特殊受信機甲94式3号型特殊受信機は94式及び96式各号無線機と同様に、昭和13年(1938年)からこれが改良研究に着手した。改良の方針としては傍受勤務に適する構造とし、真空管を統一し、性能を向上するにあった。これは特殊受信機甲と云う呼称を…

5-1-1 94式3号型特殊受信機

5-1-1 94式3号型特殊受信機戦場に於ける無線諜報に関しては指揮官の作戦指導上極めて有効なる資料を提供し得るものなることの認識、移動性の要求上軍独自の研究に候つの外、流用し得る受信機なきこと、部隊装備のため制式として動員用兵器の整備すべき…

4-4-23 飛5号無線機

4-4-23 飛5号無線機本機には甲及び乙の二種がある。甲は中距離における飛行部隊指揮官として二系統以上の通信を迅速に処理し得る能力を有するもので、飛2号無線機と同一性能を持っている。即ち飛2号送信機二組を真空管を共通にして一組としたものが…

4-4-22 飛4号無線機

4-4-22 飛4号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 編隊内用通信距離 周波数 44~50Mc送信機 出力 A3 7w OSC PA 真空管 807A-807A×2 Mod 電源 24V蓄電器及びコンバーター 500V230mA受信機 方式 スーパー RF2 IF2 AF2 RF RF Conv IF IF Det AF …

4-4-21 4式飛3号無線機とム-4無線機

4-4-21 4式飛3号無線機とム-4無線機4式飛3号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 近距離飛行機用(主として戦闘機用)通信距離 周波数 送信 4~6Mc 受信 4~6Mc 送信機 出力 A2 A3 20w OSC PA 真空管 807A- 807A 807A↑ Mod 電源 24V蓄電器…

4-4-20 99式飛3号無線機

4-4-20 99式飛3号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 近距離飛行機用(主として戦闘機用)通信距離 周波数 送信 2.5~6.7Mc 受信 1.5~6.7Mc送信機 出力 A2 A3 10w OSC PA 真空管 807A 807A↑ Mod 電源 24V蓄電器及びコンバーター 600V120mA受…

4-4-19 99式飛2号無線機

4-4-19 99式飛2号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 中距離飛行機用通信距離 周波数 1.5~7.5Mc送信機 出力 A1 35w、A2 A3 10w OSC PA 真空管 UX47G-UY-510B 76 - UZ-47D AF Mod 電源 24V蓄電器及びコンバーター 700V150mA、250V 50mA、9V…

4-4-18 96式飛2号無線機

4-4-18 96式飛2号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 中距離飛行機用通信距離 周波数 1.5~7.5Mc送信機 出力 A1 8w、A2 A3 2.5w OSC PA 真空管 UX47G-UY-510B 76 - UZ-47D AF Mod 電源 24V蓄電器及びコンバーター 700V150mA、250V 50mA、9V…

4-4-17 飛1号無線機中波送信機

4-4-17 飛1号無線機中波送信機本機は航空戦術の発達に伴って空中にある航空指揮官が空中部隊に集合を命じる場合に空中集合店に各飛行機を誘導するため中波を発射する送信機で指揮官機の飛1号無線機に附加したものである。本機の重要諸元は次の通りで…

4-4-16 99式飛1号無線機

4-4-16 99式飛1号無線機本機の重要諸元は次の通りである。用途 長距離飛行機用通信距離 周波数 1型 2.5~15Mc、2型 2.5~10Mc送信機 出力 A1 40w、A2 30w、A3 20w OSC PA 真空管 807A-807A×2(グリッド変調) Mod 電源 24V蓄電池及び600V40mAコンバ…